「ユメ十夜」

たまたま見たい映画が重なって公開されてます。私は、映画館で見るのが一番集中できる。シートの座り心地が快適なのです。あの椅子が家にも欲しいです。

10人の監督が夏目漱石の「夢十夜」という幻想的な10の夢を書いた作品を映画化する、という内容です。レビューでは「原作読んどけ」という意見が多かったので、読んでから観ました。方向性は予習できた。夢の話なので、ストーリーや解りやすさを求める内容ではないですね。
監督も役者も豪華なので、幾つか目当てのものがあるなら楽しめると思います(私の目当ては松山ケンイチと山本耕史…ミーハーでスイマセン…)。でも、全体的に好き嫌いが出る作品なのと、十夜全てを気に入ることはないというのが前提でしょうか。六夜と十夜が人気っぽい。雰囲気も時代設定もバラバラな解釈なのが面白かった。原作では好きな話だったのが、映画になるとそうでもなかったり、またその逆もあります。
公式サイトのの壁紙のセンスがスゴイです!私はダウンロードしませんでしたけど!最近の映画公式サイトは、FLASHで重くて困るなー。光回線にしても、NTTからの距離が遠くて今と速度は変わらないんだよねー。

ネタバレを交えてそれぞれの感想を以下に。

ユズシマ | 0 comments | edit

「マリー・アントワネット」

ヨーロッパの歴史物映画が好きなので、それだけで無条件に見たくなります。歴史物の楽しみの3割は衣装!特にマリー・アントワネットの生きた時代のロココ調の砂糖菓子のような衣装は、日常生活ではありえないので、楽しみにしてました。そして、それ目当てで見に行くのが正しい映画でした。

というのは、この映画、歴史的説明が必要最低限しかありません。マリーの結婚がオーストリアとフランスの同盟であることは説明されますが、側近の名前もあんまり出ない、民衆の反乱部分も映像では流れず情報が王妃の耳に飛び込んでくる、という形です。だから、映画のほとんどがマリーのベルサイユでの生活。観客も、この先マリーがどうなるかは十分理解してるので、ただただ豪華に華やかに遊んでいる彼女を楽しむのがベストなんじゃないかと思いました。もちろん、マリー・アントワネットと言ったらあの事件!という事柄もちゃんと盛り込まれています。

それで連想したのが、日本ではたくさん映像化されている歴史名場面?の「新撰組」や「忠臣蔵」。私も、色んな人が作ったものを見ていますが、筋書きが同じでも役者や演出が毎回ぜんぜん違うので、今回はあのシーンをどのようにやるのか、というのが楽しみです。例えば「芹沢鴨の暗殺はどのように行われるか」「赤穂浪士討ち入りのとき隠れた吉良上野介はどのように探されるのか」が「マリー・アントワネット」では「マリーはどのようにデュ・バリー夫人に最初の挨拶をするのか」になります。私はマリー・アントワネットの第一印象が「ベルサイユのばら」という人間なので、ここは好きな場面でした。逆に、フェルゼンの解釈と出番の少なさは残念。結婚してからのほとんどが世継ぎの話に終始したのも、ちょっと苦々しかったかな。そういう、個人の歴史観の差はどうしようもなくて、それが気に入らんというレビューも見かけたけど、私はこの映画の世界ならありだと思った。あ、でもルイ16世は世界共通のイメージ…。

だから、あんまり深刻なシーンもなく、歴史を知らなくても気軽に見られる雰囲気映画でした。女性なら衣装や小道具や内装を見てるだけで楽しいと思います。物足りない人もいるらしいけど、そもそもアメリカ映画なので、そこまで期待してなかったからいいです。音楽もブリティッシュロックが交じっていて、可愛かったですね。ところで、マリー・アントワネット=ベルばらという図式はどれくらいの世代まで通じるんだろうか。

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「それでもボクはやってない」

下の記事で「書くことがない」と書いたけど、レイトショーに間に合ったので見てきました。公開初日に映画を見るのは久しぶりです。

『Shall We ダンス?』の周防正行監督が、11年ぶりにメガホンを取った本格的な社会派ドラマ。電車で痴漢に間違えられた青年が、“裁判”で自分の無実を訴える姿を、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしつつ描く。

重い内容です。娯楽や癒やしを求めて見る映画ではありません。見終わったいま、私は映画の面白さ以上に、日本の裁判制度の有り方や痴漢という犯罪について深く考えてしまっています。また、個人の考え方以上に、男性か女性か、裁判に関わった経験の有無、社会的立場などで、大きく感情を左右される映画だと思います。例えば「だから警察は役に立たない」と思っても「じゃあ警察の大変さがわかるのか。必死なのに」と言われてしまえば、返す言葉がない。水掛け論です。
だからこの映画の感想は、出来るだけそういった要素を排除して「映画としてどこが素晴らしかったか面白かったか」を書いておきます。

実は見たときの私は、睡眠時間1時間で起きて朝からあちこち移動して1日遊んで美味しい晩ご飯も食べてあとは帰って寝るだけーという状態で、映画館で座ったら寝てしまう予感がしていました。アクションやホラーならともかく、裁判の話で人間ドラマだから、登場人物の専門的なセリフもいっぱい出てくるだろうに、集中して聞いていられるか不安…。

しかし、それは杞憂でした。

物語の緊張感とテンポの良さに曳きつけられ、見事に主人公に感情移入し、いつのまにか手を握り締めて裁判の経過を見守っていました。さすが周防正行監督!(スイマセンこの人の作品1つも見ておりません)脚本の上手さ、観客を飽きさせない場面転換の上手さ、登場人物たちの心の動きの表現の上手さ、そして取っ付きにくい裁判の世界をわかりやすく見せる上手さ!
もちろん役者さんたちもすごく上手いです。初公判の場面で、被告人役の加瀬亮に、彼の母親役のもたいまさこが必死に傍聴席から微笑みかける場面は、心臓を鷲掴みにされました。特に秀逸なのは、被害女性の証言場面です。ネタバレなので反転→中学生の彼女が極度に緊張して証言席に立つ経過、痴漢犯罪によって傷ついたにも関わらず、検察や裁判官の質問に対して精一杯誠実に答えようとする様子が嫌味なく表現されていて、判決に繋がる重要な1シーンになっていました。←ネタバレここまで
そして、全体を覆う理不尽さや無力感が感情に訴えかけてきてくるので、フィクションらしいご都合主義もあるのだけど、それを超越して主人公の無罪を願ってしまう。結論は、あれしかないと思う出来です。ネタバレなので反転→裁判の判例集などを読んだことがある人はわかると思いますが、作中の判決文はすごくリアルでした。(私も少ししか読んだことないので感覚だけど)証言の合間を縫って、少しでも矛盾のない事実を出す様子は、今まで張り巡らせた伏線を回収する作業で、こう言われたら仕方がないよ…!と←ネタバレここまで
3年がかりで数百件の裁判を傍聴してきた周防監督が、練りに練った真っ向からの社会派映画です。原作なしのオリジナル作品で、このような邦画が公開されるのは最近ではなかったような気がします。出来るだけ多くの人に見てもらって「すぐ近くの知らない世界」裁判制度を考えるきっかけになって欲しいです。エンドクレジットを最後まで見終わったあと、普通の映画なら観客が感想を語り合うざわめきがすぐに場内に響くのですが、今回はざわめきまで若干間があったような気がしました。観客一人一人が、この映画の重さを受け止めている時間ではないかと思いました。重いけど、それ以上に面白いから見て損はありません。この映画がヒットするような世の中であることを願います。

以下は、裁判に対して私が思うこと少しだけ。
2009年から日本でも裁判員制度が始まります。正直に言って、私は裁判員に選ばれたくありません。自分の判断が人の人生を大きく左右することになる責任を負うのがイヤだからです。作中でも、ある裁判官が「無罪と判定した人が有罪だったらどうしようと考えたことがあるか?」と聞かれる場面があります。人間が判断することだから、間違いはつきものです。それを是正するために三審制度や再審制度がありますが、その制度を使っても間違っていたらどうするのか、また、決定が覆ってもその間に失われた時間やお金や信頼はどうなるのか。目を背けてはいけない現実があり、今もそれに押し潰されている人が居ます。
堅苦しい内容で失礼しました。思っていることが、上手く書けたか心配ですが、精一杯…難しいですね。

ユズシマ | 0 comments | edit

「DEATH NOTE 後編 the Last name」

前編の感想はこちらです。
前編の出来が良かったので、かなり期待して見た後編ですが、見終わった直後は、

面白さに感動し、上手さに脱帽し、素晴らしさのあまり製作者に感謝しました。

全てが期待を超えていました。もし、迷っているなら見に行くことを勧めます。見た日に感想を書くと、テンションが高すぎてまずいと思って2週間ほど放っておいたけど、いま冷静になって思い返しても、ほとんど瑕疵が見つかりません。あっても、大したことじゃないと一蹴できる。当たり前のことですが、人によって考え方は千差万別なので「薄っぺらい映画」「普通じゃない?」「破綻してる」という感想も目にしました。
だけど私は楽しかった!本や映像に関わらず、素晴らしい作品に触れているときは、頭の中で「大当たりだよ!」と言わんばかりにカラーンカラーン!と鐘が鳴るのですが、その音が止まらなかった。鳴りっぱなし。こんな映画を見られて幸せです。まだまだ邦画も捨てたものではない。

そもそも、原作つきの映画は難しいのです。私は人よりも、原作つきの映画を原作を知った上で見に行くことが多いと思いますが、その感想といったら「原作の方が面白い」「この原作を映画化なんて、やっぱり無茶だった」で埋め尽くされます。……いま、例えば?と記憶を漁って本当にイヤになった。
しかし「DEATH NOTE」は、原作をしっかり読み込んで理解し、基本路線を崩さず、至らない点を拾い上げ、オリジナリティを肉付けし、新たな物語を作り上げていました。これが、どれだけ難しいことか!物語的には、最後のどんでん返しに尽きるのだけど、そこに辿り着くまでの運び方がスムーズで、よく2時間半でまとめたな、と思いました。
原作者及び原作第一のファンには申し訳ないけど、正直に言って、私はこのラストが良かった。これなら、原作の第1部が終了した時のもやもやが解消される。納得して「END」の文字を胸に収めることができる。自分の感傷がもたらす部分が大きいのは理解していますが、書かずにはいられない。それくらいよく練られたクライマックスでした。

ネタバレを交えて細かい感想を。

ユズシマ | 0 comments | edit

「時をかける少女」

上映館が少ないので、滋賀まで行ってきました。最初見るつもりはなかったのですが、よく行くブログなどで評判が書かれていて気になったので、一番行きやすい滋賀の公開日を待って見てきた、という経緯。83年の映画が有名だったのは知ってるんだけど、それ以上情報を入れないようにしていたら、筒井康隆の原作の20年後の設定だそうです。原作も貞本義行のイラストで新装版が出ているので、また買ってみよう。

ちょっと構えて見てしまって、あんまり映画に感情移入できなかったのが勿体無かったです。DVDが出たら、もう一度見よう。途中からSF考証の甘さが気になって仕方がなかったのが問題か。そういう映画じゃないんだ、これは。SF映画じゃなくて青春映画なんだ。青春が眩しすぎて甘酸っぱかったです。ただただ「逃した魚は大きいよね」と考えていました。ヒドイ感想だ。

とにかく、演出が上手くて「ギャーそうきたか!」と何度も驚かされました。前半はコミカルで、動きの多さと真琴の単純さが面白いのだけど、後半に入ると異能力によるジレンマから急速に真剣になっていきます。そして、踏み切りのシーン、挿入歌からのくだりがどうしようもなく「やられたー…」と思いました。上手く感想がまとまらないや…。DVDはもっとちゃんと見よう。

ちょっとネタバレ。
千昭はあの絵を見れたのかどうかが、気になってたまりません。最初の方では、真琴が魔女おばさんに相談しに行ったときに、それらしき姿が美術館にあるんだけど、その時点でまだ絵は公開されてなかったんだから、見てないし、公開されてから来たかもしれないけど、その未来はリセットされてしまったから、結局見れなくて…。もう、そういうことは問題じゃないのかな?

見終わった後に、後ろの方で「ヤバい、俺初めの方から泣いてた」という感想が聞こえたのですが、最近の殿方はそんなに涙もろいのでしょうか。私も映画館では珍しく泣いてたんだけど、最初のほう?そうなの?

ユズシマ | 0 comments | edit

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